日本財団 図書館


 

のようにいうことができる。
(1) 社会性
これは上記に述べたような「船舶安全法」などの「法律との適合性」や人命尊重からの「安全確保」など、製品の使用時も、故障時も危険性がなく安全でなければならない。このような「安全性」が要求される。
また最近では特に「低公害性」、「製造物責任性」、「環境非破壊性」など、製品を使用中は、使用している人々は当然のこと、それ以外の人にも迷惑がかからないようにしなければならない特性もある。勿論法律によって規制されているものもあるが自発的にこれらの特性を保証するように注意することが必要である。
その他、物的資源に乏しい日本の国情から要求される「省資源性」や「省エネルギー性」などの、できるだけ資源やエネルギーを使わないようにすることも大切である。
これらの要求品質を「社会性」という用語を使って考えてみる必要がある。
(2) 市場性
企業は、顧客の「安全確保」という使命を持っているが、その反面では、「企業の存続」という使命も持っている。経営者、従業員、株主たちのために、適正な利益を確保して、みんなの生活を保証しなければならない。そのためには、お客に喜んで買って貰える「売れる商品」を企画・設計・製造・販売し、あるいは修繕・サービス等をしていく必要がある。
「売れる商品」とは、今日の多様化する価値観を満たす商品性と、高度化する信頼性に、十分対応できる商品である。
例えば、消費者の要求する外観・性能などの嗜好や流行を満足させるだけではなく、特にここで取り上げるのは、「性能安定性」「信頼性」などの、まずお客がどんな環境(熱帯・冷寒帯)の下で、どんな使い方をしても、故障が少ないこと。そして「安定回復性」即ち、もし故障してもすぐに直せること、「修理性」「整備性」などの、修理や整備しやすい、修理や整備代金がかからない、修理や整備時間が早いことである。最近よく使われる「CS:Customer Satisfaction顧客満足」である。つぎに「サービス性」「使用性」などの補用部品が入手しやすく、価格が安く、サービスにはすぐに来て、すぐ直して貰える。そもそも製品自体も使いやすい。
これらの品質がお客に喜んで貰え、喜んで買ってもらえる特性である。最近、特にこの「サービス」の品質が大きく取り上げられているのもこのためである。これらが顧客の二一ズに合致した喜ばれる商品に必要な「市場性」である、と定義するものである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION